歴史のお話

      2016/02/06

高校の頃、「スラックスを履いて来い」と、同僚教師にひんしゅくを買いながらも

ボロボロのジーパンをはき続け、

「旅行に行きたいから教師になった」言ってはばからなかった、

(夏休みに長期で旅行に行けるから教師になったらしい)

スナフキンの様な歴史の先生がいました。

その先生は夏休みになると、聞いたこともないような国に旅行に行っていました。

これはその先生が授業で語ってくれたお話です。

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ある所に太陽を神と崇めている国がありました。

しかしこの国、王様の横暴や贅沢などで、民衆の生活は苦しく、

人々の不平不満が今にも爆発しそうな状態でした。

業を煮やした王様は、ひとつ大芝居をうってやろうと考えます。

その国は天文学が発達しており、

王様お抱えの学者達は、天体や太陽の動きを正確に予測する事ができました。

そして折しも今年は、皆既日食が起こる年だったのです。

王様は重大発表があるからと、広場に民衆を呼び集めます。

王様の大博打の始まりです。

王様はこういいます。

「○月○日、何時何分、この世に悪魔が襲来し、我々から太陽を奪い去るであろう。

しかし!心配する事はない。私は神より大いなる力を授かった、

この私の力をもって、必ずや悪魔を退散せしめ、

この世に太陽を取り戻してみせようぞ!!」

人々は大混乱です。

日食の話しは、恐ろしい伝説として語り継がれていました。

この国では太陽は神様です、それがいなくなるという事は、

人々に地獄を連想させる物でした。

人々は口にします、

「王様はうそつきだ!、そんな事があってたまるか」

「でも本当にそうなったら、王様にどうにかしてもらわないと」

印刷技術が発明されるのはまだまだ先の話、

本は大変貴重な代物で、極一部の人しか見る事はできませんでした。

勉強が出来るのも特権階級のみ。

一般の人々は日食についての知識など全く持ち合わせていなかったのです。

王様の宣言した日食の期日がやってきます。

人々は不安でな面持ちで、王宮広場に集まり始めます。

王様は過剰な程に装飾された衣装に身を包み、

派手な舞台から民衆を見下ろしています。

そしてその時がやってきました。

王様の予言通りに太陽が欠け始め、人々は一斉に不安の声をあげ始めます。

王様にとっては全て予定通り。

適当に踊りを踊り始めます。

その間にもどんどん太陽は欠けていき、

それに合わせて王様の踊りはヒートアップ。

そして太陽が完全に隠れてしまうと同時に、

王様はもんどりうって苦しみ始め、その場に倒れこんでしまいました。

人々は一斉に悲鳴を上げて逃げ惑い始めます、

「あー終わった、世界が終わった、王様が負けた!!」

広場は大混乱です。

しかし、王様はしばらくすると苦しみながらも起き上がります。

そして持っていた剣を振り上げ、

最後の力を振り絞る(ふりをして)地面が割れんばかりの大声で、

王様が雄叫びをあげたその瞬間です。

パーッと太陽の光が差し込み始め、

暗闇に包まれていた広場に神の光が戻ってきたのです。

それはもう天文学者の計算とどんぴしゃでした。

そして王様の演技も完璧でした。

人々はもう歓喜の渦、泣きながら王様を称えます。

この様にして王様は、神の化身としての立場を手に入れ、

民衆の絶大な支持を勝ち取ったのです。

おしまい。

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この話がスナフキン先生の完全な創作なのか、

史実に基づいた話なのかは定かではありません。

でも発展途上国では、今でもこの様な知識格差が存在しているでしょうし、

一部の人達はそれを上手に利用している事でしょう。

また先進国に住んでいると、

ここまでの知識の格差を感じる事はないかもしれませんが、

僕らが気が付かないだけで、

今も我々はこの話の民主の様な立場に置かれているのかもしれません。

歴史は繰り返す、です。


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