僕が美術に魅かれた理由

      2016/05/29

僕は最近美術に興味を持ち始めたばかりで、右も左も分からぬまま、絵を鑑賞させてもらっているのですが、

今までの自分は美術には全く興味はなく、車を改造してサーキットで走りまくっていた様な人間でした。それがなぜ車を捨てて絵に興味を持ち始めたのか。

今の自分へと至る変化のきっかけの一つとなったのが、川田祐子さんという現代美術の画家の方との出会いでした。美術の事は全く分からないながらも、川田さんのブログに非常に魅かれる物があり、2015年1月、個展にお邪魔させて頂きました。

そこで色々なお話しをさせて頂き、それが一つのスタート地点になりました。その時に感じた事を、少し書いてみたいと思います。

 

おじさんと原住民

 

あなたの職場に、全く仕事の出来ないおじさんがいたとします。
いつも皆の足を引っ張って謝ってばかりいます。

でも実はおじさんはとっても猫好きで、大人気の猫ブログをやっていて、猫好きのあなたはそれを知ったら意気投合していたかもしれません。でもあなたがおじさんのそんな一面を一生知らないままだったら、あなたの世界の中にはその事実は存在しないままで終わってしまうのです。

おじさんのそんな一面を知っていれば、今までの様にイライラしなくなるかもしれない、仕事場でネコ談義に花が咲き仕事が楽しくなるかもしれない、人には色んな側面があるんだと、おじさんの事が教訓となり人に対する視野が広がるかもしれない。でもそれを知らないままだったら、そんな世界が広がる事もなく、そんな可能性があった事も認識できないままで死んでゆくのだと思います。

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またもし未開のジャングルに、自分達以外誰とも接触する事なく暮らしている原住民がいたとしたら、そして彼らがそのまま誰とも接触せず一生を終えたとしたら、
彼らにとって僕たちは存在していないのと一緒で、僕らも彼らの存在を認識する事はできません。

 

それは砂漠の砂のような・・・

 

この世にはこれと同じ様な、認識すらできないまま過ごしている出来事が、まるで砂漠の砂のごとく沢山あって、そして人は一生かかっても、広大なその砂漠の中から砂粒2~3粒分くらいしか知る事ができずに、死んでゆくのだろうと僕は思います。

でもその砂は、既に僕らの手の中にあるのです。でも僕らはそれを簡単には認識できないのです。さっきの仕事ができないおじさんも、おじさんは目に前にいるのです、でもそのおじさんの意外な側面(砂漠の砂)は、簡単には認識できないのです。

 

意外な側面という物は、本当は誰にでもあるし、どんな物にもあるし、自分自身にもあるはずで、でもそんな砂漠の砂に、ほとんど気づかないままで、人は一生を終えてしまうのだと思います。

そしてそんな物事の意外な側面、砂漠の砂に、気づかせてくれるのが、美術ではないかと思ったのです。

 

僕らの見ている世界

 

今回の例では仕事のできないおじさんでした。仕事のできないおじさんくらいなら、なんせ職場の同僚です、同じ人間です。何かきっかけがあれば、もっと色んな側面を考える事もできるかもしれません。

 

でももしこれがリンゴだったらどうでしょう。
葉っぱだったらどうでしょう。

もしかしたらこれはリンゴじゃないかもしれない、
もしかしたらこれは葉っぱじゃないかもしれない、

普通そんな事は考えられないでしょう。

でもそれを考えさせてくれるのが、そして色んな視点を増やしてくれるのが、美術なんじゃないかと思ったのです。

 

もしかしたら自分は、今自分が思っている様な人間じゃないかもしれない。
もしかしたらあなたは、今あなたが思っている様な人間じゃないかもしれない。

 

未開のジャングルの原住民に僕らが見えいていない様に。仕事ができないおじさん、というレッテルにじゃまされて、その人の意外な側面が見えなくなる様に。人は同じ世界を見ていても、認識できていない物が山の様にあるんじゃないか。その認識力の柔軟性によって、同じ場所に生きながらみな全く違った世界を見ているんじゃないか。そう絵をみながら気づいてしまった。

 

いや、この情報過多の時代、テレビや本で、同じ様な意味の言葉を聞いた事はあったはずです。でも実感として「感じる」事はできなかった。それを初めておぼろげながら「感じる」事ができた様に思うのです。

 

きっと一生かかっても、2~3粒も知る事が出来ないまま死んでしまう砂漠の砂を、もう3~4粒知ってから死んでみたい。それは誘惑の様な物かもしれません。そんな誘惑が、僕が美術に興味を持ち始めたきっかけのひとつでした。

 

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